ジュニアが２歳になってから初登山は、山梨県・上野原の八重山に行きました。
なぜ上野原なのか？それは、上野原出身の友人におすすめされたからです。都内からの距離が近く、低いけど景色も楽しめる、日当たりの良い山があるよ、と。
前回は山中湖の石割山に行ったのですが、やはり２歳未満の子を連れて富士界隈まで出るのは少し大変でした。何しろ、中央道は行きも帰りも小仏トンネル一帯の渋滞が厳しく、車内でぐずったり、車酔いしたりするともう大変です。
八重山は、道を歩くのが楽しく、眺望も楽しめる素敵な山でした。日本には、こういう素敵な低山がまだまだ沢山あるのでしょうね。
山行データ
No.4 八重山
エリア：山梨県上野原市
行動時間：5時間10分
歩行距離：約4.3km
標高差：200mあり
累積標高差：△391ｍ・▽440ｍ
コース定数：10
ジュニア体重：12.5kg
アクセス：JR上野原駅から富士急山梨バスにて「大堀バス停」下車、登山口まで徒歩15分／中央高速上野原ICから車で15分で登山道直結の「八重山駐車場（10台）」
お得情報：特になし
トイレ：登山口直結の八重山駐車場にあり
「五感の森」を歩く
八重山は、上野原小学校や中学校のちょうど「裏山」に位置する標高530mほどの低山で、一帯の森林は学校林として子どもたちの学習の場となっているようです。
そんな八重山の森は、「五感の森」と呼ばれています。自然の中に身を置くことで、普段は意識しない五感の働きを感じ取ってみる…この日に我々が体験したことも、まさにそのような感覚でした。霜を踏むときのサクサクとした小気味の良い音、凍った水たまりを踏んだ時のパキッという感触、日陰から日向に出た時の体を包み込むような暖かさ、落ち葉と土の匂い。
２歳になったばかりのジュニアは、五感から得られる刺激を全身で楽しんでいるようです。霜を踏んだり、落ち葉を両手で舞い上げたり、沢に張った氷の下を流れる水を飽きることなく眺めたり…整備された木の階段を、短い足を一生懸命に上げて登るのも、ジュニアにとってはアスレチック的な楽しみがあるのかもしれません。
気温は5度ほどでしたが、沢沿いを離れると日のよく当たる斜面から稜線に出るため、ぽかぽかと暖かい陽気を感じられます。ジュニアのペースに合わせ、ゆっくりゆっくりと進んでいきます。石割山の時とは違い、八重山はジュニアでも登れるくらいの傾斜が続いており、ジュニアは自分の足で一歩一歩踏みしめながら進んでいきます。この年齢特有の、大地を掴むような特徴的な歩き方です。
やがて山頂に着きました。四阿のベンチとテーブルで、簡単な山ごはんを作ります。チーズ多めのトマトソース・マカロニ。石割山では冷え切ったパンしか食べられなかったので、その反省を踏まえて温かくて柔らかいものを準備しました。パクパクと食べるジュニア。
八重山の山頂からは、北に向けて稜線が伸びています。落ち葉の敷き詰められたきれいな稜線を、妻と両手を合わせてクルクルと回りながら歩くジュニア。やがて能岳（向風山）の山頂にたどり着きました。ここでおむつ交換。
すでに13時を回っており、ジュニアも眠そうにし始めたので、帰路につくことにしました。本来は能岳から北に稜線を進み、西に下って車道を歩いて駐車場に戻る予定でしたが、現在地の能岳から南西に延びる稜線沿いに車道に出ることにしました。虎丸山から上野原中学に向かう道はハイキングコースから外れるようですが、踏み跡を辿っていくとハイキングコースに合流しました。ジュニアはしばらく肩車の上で嬉しそうに枝を振っていましたが、ほどなくして私の頭によりかかるようにして寝てしまいました。その後は抱っこで。
八重山は幼児連れ登山に最適
八重山は、２歳前後の幼児を連れたハイキングに最適の山と言えるのではないでしょうか。その理由は、以下のとおりです。
- ルート上に滑落の危険性が少ない。傾斜が全体として緩やかで、２歳児（身長80cm）の足でも登れる。
- ルートが明瞭で道に迷いにくい。ハイキングコースとしてしっかり整備されている。
- 沢沿いを抜ければ日当たりが良く、晴れていれば冬でも暖かく感じる。
- 稜線上からの展望が良く、特に展望台からは見事な富士山、高尾山、丹沢山地が見渡せる。
- 四阿やベンチがあり、休憩スポットが多い。
- 都内からアクセス容易で、（基本的に）冬タイヤが必要ない。
- 静かで、山との一体感に浸れる。
八重山は、山の魅力がギュッと濃縮された素敵なお山でした。子どものペースで歩くことで、大人にも普段の山歩きとは違った刺激や発見を感じられることと思います。もちろん、小さな子供にとってはアスレチックのようなアクティビティになります。週末でも静かな山歩きを楽しめるので、もし自然の中で穏やかな時間を過ごされたいのでしたら、一度八重山に足を運んでみてはいかがでしょうか。
