#9子連れ登山: 弥三郎岳 2歳10ヵ月 ”恐怖の絶景”

子連れ百名山

友人家族と紅葉の昇仙峡を訪れた折、ロープウェイ駅からほど近いピークである弥三郎岳を訪れました。

弥三郎岳は別名「羅漢寺山」とも呼ばれ、数年前の「ぴったんこカンカン」で福山雅治と安住アナが映画ヒットの祈願をこめて登ったパワースポットとして知られています。妻は福山雅治のファンですが、この山に登りたいと珍しくリクエストがありました。

往復で2時間にも満たない行程ですが、山頂に鎮座する立派な一枚岩からの絶景と恐怖感は中々のものでした。

山行データ

No.9 弥三郎岳
エリア:奥秩父山地(山梨県甲府市)
行動時間:1時間31分
歩行距離:約1.1km
標高差:47m
累積標高差:△108m・▽108m
コース定数:3
ジュニア体重13.3kg
アクセス:昇仙峡ロープウェイ駅他駐車場多数/JR中央本線甲府駅南口バスターミナル(4番のりば)から「終点昇仙峡滝上」のバス、9月中旬~11月の間の土曜・祝日は「(季節快速)甲府駅 – グリーンライン – 昇仙峡滝上線」も利用可能
お得情報:アソビューなどでロープウェイ料金割引あり
トイレ:ロープウェイ駅にあり(道中はトイレなし)

昇仙峡で紅葉狩り

渋滞を回避するため早朝出発、昇仙峡ロープウェイ駅に7時に到着しました。他の車は2・3台ほど。合流した友人家族とともに、昇仙峡の渓谷沿いへと向かいます。しばらく続く土産物屋の立ち並ぶ車道を進むと、「仙娥滝」への入り口が。ちょっとした参道を抜け、滝の音を聞きながら急勾配の階段を下ると目の前には仙娥滝が。朝日を浴びて虹がかかっており、子どもたちはわぁ~っと歓声を上げます。

仙娥滝にかかる虹

渓谷沿いを歩きます。立派な車道ですが、土日祝は車両通行止めとなるので、車を気にすることなく歩けます(平日は一方通行)。朝早いから人はまばら。渓谷沿いの空気が気持ち良いです。子ども達は紅葉を拾ったり、空に放ったり、途中現れた岩をよじ登ったりして遊んでいます。

きれいな葉っぱないかな

グリーンラインとの交点である長潭(ながとろ)橋まで差し掛かったところで、来た道を戻ります。朝の気持ち良い散歩となりました。

少し早いですがお昼の時間になったので、昇仙峡ロープウェイ駅の真向かいにある「円右衛門」で頂きました。こちらは半テラス席で甲府名物のほうとうに加え、流しそうめんやイワナの塩焼きが楽しめます。昇仙峡を模して造られたというお庭には鯉の泳ぐ池や水車、カエル地蔵が立ち並んでおり、注文が来る間も子どもたちは飽きずに過ごすことができます。

ロープウェイに乗って弥三郎岳へ

昼食の後、ロープウェイに乗って弥三郎岳を目指します。

ロープウェイ駅に到着するなりジュニアが弥三郎岳に向かってダッシュ!なぜ山の方向が分かったのでしょうか?登山者が来るから、踏み跡が明瞭だからか…とにもかくにも、周りの登山者があっけにとられるペースでジュニアはなぜか猛ダッシュして登山道を走り抜けます。完全にあっけにとられる友人家族をしり目に、すかさず追いついて「お山では走らない!」と徹底します。

その後も、走りこそしませんでしたがグイグイと歩みを進めるジュニア。この張り切りようは何でしょうか?思えば、今回が初めておともだちとの登山となるので、ひょっとしたら格好の良いところを見せたかったのかもしれません。軽々と段差を乗り越え、這う根をまたぎ、上り坂を駆け抜けていく。驚くほどの足取りの軽さです。

なんとも軽い足取り

怖すぎる一枚岩から臨む絶景

そうこうしているうちに、あっという間に山頂近くになってきました。立派に育った松の合間に鎮座する一枚岩はあまりにも不自然です。だいだらぼっちが何処からからつまんで持って来たのでしょうか?

頂上へと続く道。これは下りのシーン

一枚岩には階段となるような足場が穿たれていますが、鎖を掴みつつ慎重に登ります。岩のてっぺんに着きました。柵も何もなく、岩の丸みに沿って切れ落ちた断崖が続いています。ただただ恐ろしい。こんなことならハーネスやカラビナ、ロープを持ってくるべきでした。子ども達が落ちないように目を光らせつつ、少し安定した場所で記念写真を撮ってから早々に下ります。ああ、怖かった。

空を登るジュニア

頂上付近では、ドローンを利用して空撮をしているカップルがいました。子ども達の目の前で、自由自在にドローンを操作する男性。手を振る子ども達の目の前で不思議な動きをして見せてくれ、子ども達は大喜びしていました。ドローン撮影もいいですね、いつか挑戦してみたいです。

手軽に絶景を拝める弥三郎岳

いかがでしょうか、弥三郎岳。なんといってもその魅力は、以下の点にあるでしょう。

  • 昇仙峡に隣接しており紅葉狩りに組み込める
  • ロープウェイを使って往復2時間未満のお手軽ルート(3歳児でも問題なく踏破可能)
  • 山頂の適度なアスレチック感・絶景

一方で、柵のない山頂はやはり危険を伴うと言わざるを得ないでしょう。もし持っているならばロープやカラビナを使って自己確保を取ることが望ましいと思います。ロープ類がなかったとしても、鎖から手を離さない、長居しない、絶対に悪ふざけをしない・させないなどの対策を取ることが必要かと思います。

昇仙峡を訪れた際、少し足を延ばして弥三郎岳を登ってみてはいかがでしょうか?