初・子連れスキー: NASPAスキーガーデン 2歳0ヵ月 ”ゼロからの家族スキー”

子連れスキー

ジュニアが2歳になった折、我が家は初めてのスキーへと行きました。

登山と同じく、スキーも山を舞台とする活動です。

一面の銀世界、肌を刺す冷たい空気、雪をかき分けて滑る感触などは、きっとジュニアの成長に良い影響を及ぼしてくれることでしょう。

そんな期待を胸に、我々は長いトンネルを抜けて越後湯沢へと向かいました。

家族会議からのスタート

しかし、我が家がスキーを始めるにあたり、大きな問題がありました。

まずスキー道具が何もない。そして、妻はスキーの経験が一度もない。もちろん、ジュニア(2歳)はスキーを履くこともできない

…ということで、我が家のスキー活動は家族会議から始まりました。議題は、家族活動としてスキーを始めるのか。始めるとしたら、どの程度やるのか道具は買うのか、レンタルするのか、などです。

個人的には、冬の間はスキーを積極的にやりたいと思っていました。少なくともシーズンに10日は滑りたい

また別の機会を設けてお話しますが、僕は自衛隊での訓練の経験から、子育てにおけるスキーの有用性には高い期待を抱いていたのです。

シーズンに16日となると、当然スキー用具はレンタルよりも購入した方が経済的です。

そこで、家族会議(実質的には妻と2人きりですが)では、スキーの楽しさや素晴らしさ、子どもの成長における利点などをプレゼンし、まだスキーをしたことのない妻に「これからはたくさんスキーに行こう!そのために道具も買っちゃおう!」ということを納得してもらうことから始まりました。

夜な夜な話し合いを続けること一週間、妻は渋々ながら合意を示してくれました。妻にしてみれば、躊躇するのは当然です。今までスキー靴を履いたこともないのに、数万円もするスキーセットを買う上、今後は隔週に近いペースでスキー場に通うということを持ち掛けられたのですから。今思えば、よく納得してくれたものです。

妻の合意が得られたので、まずスキー用具一式を購入することに。

スキー用具の購入

まずは私と妻、二人分のスキー板、スキーブーツ、ポールを揃えることに。ここはあまりマテリアルにはこだわらず、楽天市場のキャンペーンを活用しつつ、比較的安く手に入るものを購入しました。

この時、私の板は通常よりも短めのものを購入しました。短めの板を選んだことは、子連れスキーにおいて大正解であったことがのちに判明します。その最大の利点は、取り回しが容易なことです。子どもを足の間に入れた状態から、板を後ろから外して子供の外側に立つことができたりします。こういう動きができることは、リフトに乗る時などに重宝します。もし小さい子供とのスキーを考えている方は、適正サイズよりも短めの板を購入することをお勧めします

続いて、ウェア類です。とりあえず困ったときのモンベルということで、メリノウールのインナー、インナー・アウター手袋、ミドルレイヤーとなるフリース、アウターとなるハードシェル上下まで全てモンベルで揃えました。スキーウェアを買うか、冬山登山にも使用できるいわゆるハードシェルを買うか迷ったのですが、将来的に冬山登山にも挑戦することを考え、ハードシェルを購入しました。妻のものは全て新品で揃えましたが、私のはメルカリ・ヤフオクで揃えました

なお、ジュニアのウェア類もモンベルで揃えました。モンベルはキッズ用品が充実しており大変助かります。上下つなぎのパウダーカバーオールを着たジュニアは雪ん子みたいでかわいいです。撥水性も高く、温かい上にトイレの際の脱ぎ気もしやすいこのモンベルのパウダーカバーオールですが、ただ一点だけ欠点があります。それは、足の裾が狭くスキーブーツが入らないことです。これは翌年、ジュニアが初めてスキーブーツを履いた際に判明しました…モンベルで子ども用のスパッツを購入し、なんとか雪がブーツに入らないようにしたのですが、付け外しが面倒くさい上に夏用のためエッジガードなどがついておらず、ワンシーズンでボロボロになってしましました。(現行のモデルでは、この点は解消されています。つまり、パウダーカバーオールでスキー靴が履けるようです。)

スキー場における幼児の服装については、下記記事をご覧ください。

スキー場データ

とりあえずモノはそろったということで、我が家は念願の初スキーに!舞台は越後湯沢のNASPAスキーリゾートです。

No.1 NASPAスキーガーデン
エリア:長野県諏訪郡富士見町
コース数:8(初級30%)
ナイター営業:特定日のみあり
子供対応:◎(雪遊び広場(無料)、ピングーキッズガーデン(1500円)あり、抱っこ紐によるリフト乗車・ゲレンデ滑走可能
安全性:◎(スキーヤーオンリー、家族連れが多い)
リフト券:大人1日5000円(平日・土日祝)、子ども(小学生以下)4000円
子どもレンタル:スキーセット4000円~(ブーツ15㎝~、スキー板70㎝~)
アクセス:駐車場2000台(無料、スキーセンターまでやや歩く)/上越新幹線越後湯沢駅から無料シャトルバスあり
その他:NASPAニューオータニが隣接しており、レストランや休憩室を利用可能
 *2023年3月現在。情報は最新のものを確認してください。

何故NASPAか

NASPAを選んだ理由はいくつかあり、まずはスキーヤー専用で比較的家族連れが多いという点です。ジュニアを抱っこして滑るため、他の滑走者との接触が怖いのですが、直線的な滑降をするスキーヤーのみのスキー場なら接触事故のリスクが比較的抑えられます。

次に、アクセスが容易な点です。越後湯沢のスキー場全般に言えることですが、東京から新幹線で1時間と少し、そしてスキー場へのバスも豊富で、宿が送迎してくれるところも少なくありません。この時はスタッドレスタイヤをまだ購入していなかったため、公共交通機関でのアクセス容易性は重要でした。この点、越後湯沢に勝るところはなかなかありません。

最後に、子どもを抱っこしたままリフトに乗れる、という点です。ジュニアがスキーを履けない以上、これは必須の条件だったのですが、抱っこでのリフト乗車やスキー用具を付けない状態でのリフト乗車を認めていないスキー場は意外に多いです。この点、NASPAは抱っこ紐の着用を条件として、乳幼児を抱っこした状態でのリフト乗車を認めています(2021年当時の話であり、現在のポリシーについてはスキー場にお問い合わせ下さい)。NASPAの次に訪れた富士見パノラマリゾートでは、抱っこ紐でのリフト乗車やゲレンデ滑走が認められず、少し残念な結果となってしまいました。

さらに、NASPAスキーリゾートは子ども用のスキーレンタルが充実している点も見逃せないと思います。レンタルスキーは板が90㎝~、靴が17㎝~からしか用意していないスキー場が多い中で、NASPAスキーリゾートでは板は70㎝~、靴は15㎝~から借りることができます。これは特に、スキーを始めて滑る幼児連れのご両親にとって、大きなアドバンテージだと思います。特に板は、体重の軽い幼児期は取り回しが難しく、なるべく短い板から始める方が楽しめやすい、というのがジュニアを含め10人ほどの幼児のスキーデビューを見てきた私の所見です。板が長いとコントロールが難しく、子どもはあまり楽しめません…

スキー場デビュー

さあ、NASPAスキーリゾートにて念願の家族初スキーです!

と言っても、まずは妻がスキースクールに通っている間、私とジュニアは無料の雪遊び広場で遊ぶだけです。早く滑りたい。

今回の越後湯沢滞在では、3日間をNASPAスキーリゾートで過ごしました。妻はその内2日間をスクールで費やし、最終日には初級者コースなら一人で滑り降りるまでになりました。さすが、スクールに入ると違いますね。

私はジュニアと雪遊び広場で遊ぶのがほとんどでしたが、数回ほどジュニアを抱っこしてリフトに乗り、初級者ゲレンデを滑りました。空は雲一つない快晴で、ジュニアにとって初スキーには最高の日和となりました。子どものスキーデビューには、何よりも天候が大切です。

人生初となるリフトに乗り、ジュニアは興味深そうにゲレンデを滑るスキーヤーを眺めていました。リフト降車後、前向き抱っこで慎重に滑り降ります。ジュニアは少し冷たい風を浴びながら「おお~」と歓声を上げていました。この声を聞いた時、スキーをしてよかったな、これからも一緒に滑りに来たいな、と思いました。何度か滑っているうちにジュニアは眠ってしまったので、併設のホテルにある休憩室で休ませました。その間、私も休憩です。

慎重に滑り降りる。

2歳児とでもスキーは楽しめる

ジュニアは私に抱っこされてスキーをしている間は全く動くことができないので、体が冷える恐れもありました。一日スキー場にいましたが、結局一緒に滑ったのは数回ほどでした。残りの時間はもっぱら雪遊び広場で過ごしていました。それでも、一緒に滑ることができて嬉しかったです。

2歳のジュニアにとっても、一面の雪の白さや、空気の冷たさ、滑走中の疾走感などは、特別な経験になったのだと思います。また、子どもにとって雪は飽きることのない最高の遊び道具です。ジュニアは疲れて眠ってしまうまで、飽きることなく雪で遊んでいました。

本来雪山とは、十分な装備と技術、経験がないと立ち入ることができない領域で。しかしスキー場であれば、そのような準備がなくても安全かつ簡単に、雪山という環境を楽しめます。そう考えると、スキー場にいることは、それ自体が特別な体験であると言えるでしょう。

まだスキーを履くことのできない小さなお子さまでも、スキー場で過ごす時間はきっと楽しい特別な体験になるでしょう。是非一度、スキー場を訪れてみてはいかがでしょうか。