スキー補助具「トライスキー」について

子連れスキー

ジュニアは2歳11ヵ月の時、スキー補助具である「トライスキー」を初めてつけて滑りました。その様子については、下記記事をご覧ください。

本記事では、ジュニアの事例を通じてトライスキーのメリットデメリット、そして評価について私の考えを述べさせて頂きます。

なお、私はスキーに関しては何の資格もなく、特に優れたスキーヤーでもありません。また、トライスキーを扱ったケース(事例)もジュニアだけです。この場を借りてトライスキーのメリットやデメリットについて論じますが、あくまで一般的な素人スキーヤーの一所見として捉えていただくようお願いいたします。

トライスキーとは

トライスキーというのは約20年前にスイスで開発されたスキー初心者向けの補助具です。

初トライスキー

幼児にとってスキーが難しいのは、大人とはまた違う理由によるものだと思います。幼児は筋力が弱いため、プルークボーゲン(ハの字)にスキー板を維持すること自体が難しいんですね。また、スキーを踏むこと、つまり荷重によって制動力を得てブレーキをかけることも、体重が軽いことから難しいように思えます。

トライスキーの第1の効能は、スキーの先端をプルークボーゲンの形状で固定することにより、スキーが交差することによる転倒を防ぐことです。第2に、重心を下げることによりスキーの内側のエッジが立つように設計されているため、子どもにとってはしゃがんだり腰を落とす動作だけでブレーキがかけられるようになります

メリット

私が考えるトライスキーのメリットは、子どもにとってスキーが楽しくなることに尽きると思います。筋力が弱く、体重の軽い子供にとって、スキーで滑ることはやはり難しいことです。何度も転ぶとそのたびに痛いし、冷たい思いもします。そういったことが繰り返されると、スキーを楽しめなくなってしまうのです。

しかし、トライスキーの力を借りれば転ぶ回数が減り、初期の段階からブレーキもある程度はかけられるようになります。これによって痛い・冷たい思いをすることが減るのと同時に、自分でスキーをコントロールし、滑るという楽しみが生まれるのだと思います。そうしてスキーに対する苦手意識が軽減され、楽しい気持ちが芽生えると、もっと滑ってみようという気になり、それが上達につながるのです。楽しいからたくさん練習する。それによってできることが増えて、さらに楽しくなる。スキーに限らず、どんなスポーツでもこの一連のプラスの連鎖に入ることが重要だと思いますが、この連鎖の導入部において、トライスキーは重要な役割を果たすのだと考えます。

私はスキーをしたことのないジュニアのおともだちに、トライスキーを使って初滑りに立ち会ったことが何度かありますが、上記一連のプロセスはどの子でも共通していたように思えます

デメリット

ターンの習得が遅れてしまう可能性が、デメリットとして挙げられます。ターンは外スキーの先端あるいは末端を操作することによる方向転換、もしくは外スキーの内エッジに荷重することによって得られる板の撓みがきっかけとなりますが、トライスキーを付けていると両スキーが固定されてしまうため、いずれの動作もやりにくいように見えました

これはあくまで仮説にすぎません。しかし、ジュニアはトライスキーを付けている間、中々ターンを身につけることができず、直滑降ばかりしていました(それもすごいスピードで…)。するとやはり足に大きな負担がかかるため、1回滑ると疲れてしまうんですね。

トライスキーを外してみると、ほどなくしてターンの感覚を身につけて、リズムよく左右に荷重することで小回りのような動きをするようになりました。ジュニアの滑降パターンを見ていると、トライスキーがターン習得の妨げとなる可能性は否定しきれないのかなと思います。

ターン習得の弊害となる可能性以外には、さしたるデメリットは今のところ発覚しておりません。当初は、トライスキーに頼りすぎることで変な癖がついたり、トライスキーなしでは滑れなくなってしまうと言った可能性を懸念していたのですが、杞憂に終わりました。

しかし、冒頭に申し上げた通り私はスキーについての専門知識を備えているわけではないので、他にも潜在的なデメリットがある可能性は否定できません。いずれにしても、トライスキーはずっとつけっぱなしにはせず、ある段階で外すのが望ましいと思います。

注意点

シンプルな構造のトライスキーですが、2つのパーツを接合するジョイントパーツが摩耗により外れやすくなります。その摩耗度合いも比較的速く、早くて1シーズン、長くとも2シーズンが限度かと思われます。速度を出して滑っている際にトライスキーが外れると大変危険なので、外れやすいと感じたならば使用を停止し、新しいものへと交換することをお勧めします。

以上の理由から、フリマアプリなどで販売されているトライスキーは購入しない方がよいかと思います。ジョイントパーツの摩耗は外観上からはほとんど判別できないため、新品の購入をお勧めします。

スキーの楽しさを体感できる優れたアイテム

私とジュニアにとってトライスキーは、スキーの楽しさを体感させてくれた素晴らしいアイテムだと言えます。ターン習得が遅れる可能性や、いつ外すべきかといった問題はありますが、幼児がスキーをしてその楽しさを味わう上できっとトライスキーはあった方が良いでしょう。トライスキーのおかげでジュニアはスキーが好きになり、私たちもたくさんスキーに行くことができて楽しい思い出をたくさん作ることができました。そのような思い出は、多少のデメリットがあったとしても、やはりかけがえのないものです。

スキーの楽しさをお子さまに。そのために、トライスキーの装着をぜひ検討してみて下さい。

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