「お菓子の国のスキー場」、シャトレーゼスキーバレー野辺山に行ってきました。
今回、ジュニアはトライスキーの力を借りて、初めて自分の力で滑ることができました。
その時の嬉しそうな表情はとても印象的なものでした。
トライスキーを付けたことにより、自分でブレーキをかけられるようになったジュニアはこれまでより大胆にスキーで遊ぶことができました。
その模様をお送りします。
スキー場データ
No.5 シャトレーゼスキーバレー野辺山
エリア:八ヶ岳(長野県南佐久郡)
コース数:5(初級50%)
ナイター営業:16:00~19:00、特定日のみ
子供対応:◎(キッズパーク(スノーエスカレーター付き、入場料500円、ただしリフト券あれば無料))
安全性:△(コース幅が多少狭い)
リフト券:
大人 | 子ども (小・中学生) |
シニア (60歳以上) |
利用可能時間 | |
1日券 (平日) |
4000円 | 3000円 | 2500円 | 8:30~16:30 |
1日券 (土日祝) |
4500円 | 3500円 | 3000円 | 8:15~16:45 |
子どもレンタル:スキーセット2500円(ブーツ15㎝~、スキー板80㎝~)、ウェア2500円(90㎝~)
アクセス:駐車場1000台(無料)/小海線・野辺山駅からタクシーで約5分(要予約)
その他:毎週土日の15時半頃からスキーセンター前にてぬいぐるみが子どもたちにお菓子をプレゼント
*2023年3月現在。情報は最新のものを確認してください。
マイナス17度のゲレンデ
4時に起床し、清里へと向かいます。中央道を走っていると甲府を過ぎたあたりから、朝焼けに染まる八ヶ岳が眼前に現れ、その美しさに息をのみます。長坂ICで下り、県道28号線をひたすら北上します。清里エリアを過ぎ、しばらくするとシャトレーゼスキー場に着きました。まだ早い時間なので、駐車場の車の数は少ないです。
車の中で朝食を済ませ、ジュニアの歯を磨き、スキーウェア一式へと着替えさせます。これだけでも30分以上かかります。準備が整ったなら、妻にはジュニアと手をつないでもらい、私はスキー3セットを抱えていざスキーセンターへ。
ゲレンデの前には看板が立っており、そこには-17℃と表示されています。さすがは厳冬期の寒さで知られる八ヶ岳エリア、標高1400mのスキー場といえどしっかり冷え込んでいます。3人共ダウンジャケットをしっかり着込み、いざリフトへ。
「トライスキー」初装着!
今回、初めてジュニアのスキーに「トライスキー」を装着してみました。
トライスキーというのは約20年前にスイスで開発されたスキー初心者向けの補助具で、スキーの先端をプルークボーゲンの形状で固定することにより、スキーが交差することによる転倒を防ぐとともに、ブレーキを掛けやすくするというものです。詳細については、下記の記事をご覧ください。
トライスキーをつけることにより、ジュニアにとってはスキー操作が格段に楽になったようです。それにより、自分でスキーを操作して滑ることの楽しさを体感できるようになりました。
遊び滑り
ジュニアは私の足の間に納まり、楽しそうに笑っています。バックボーゲンの態勢を取ってジュニアと向かい合い、後ろ向きに滑るとジュニアは悪戯そうな顔をして私のことを押そうと近づいてきました。「どーん!」と押された私が悲鳴を上げて下に滑っていく姿を見ると、ジュニアはとても嬉しそうに声をあげて笑っていました。午前中いっぱい、この「どーん!」ゲームは続きました。
昼食をはさみんだ午後、ジュニアには緩斜面で一人で滑らせてみました。トライスキーの力を借りたジュニアは慎重に、少し進んではブレーキ、また滑ってはブレーキを繰り返しています。かと思うと、こちらにバックボーゲンで待ち構えている時は結構なスピードで胸に飛び込んできて、私の「うっ」というくぐもった声を聞いて大笑いしていました。トライスキーがあることでブレーキを掛けやすくなったためか、一人で滑る際もスピードを出すことが増えたようです。
こちらのスキー場には「ビギナーレールパーク」というちょっとしたコブのあるエリアがあるのですが、ジュニアはそこもお気に入りでした。速度を上げてコブに乗るとふわっとした浮遊感を味わえるのですが、ジュニアはその浮遊感が好きで何度もそこに飛び込んでいくように要求してきます。コブに差し掛かる前に「しゃがんで」と言われて加速を迫られます。そして十分に加速したうえでコブに乗りあげると大喜び。そのまま抱っこして持ち上げてあげると、空を飛んだように喜んでいました。
そうこうして遊んでいるうちにジュニアの体力もつき、リフトに乗っている最中に眠ってしまいました。スキー板を外してバックパックに取り付け、ジュニアを抱っこして慎重にスキーセンターまで降りていきます。
ここのスキーセンターには、ベビーベッドの置いてある「ベビールーム」があり、ジュニアのような幼児を昼寝させる時に大変便利です。ほとんどのスキー場ではベッドがないため、パイプ椅子を2つつなげてそこに寝かせたりしていましたが、ここのベビールームであればやわらかい布団の上に横にしてあげることができます。早朝から運転し、朝から中腰で滑り続けた私の体力も限界に近く、ジュニアが寝るベビーベッドに寄りかかって寝入ってしまいました。
ほどなくしてジュニアは目覚めます。ゲレンデに出てみると、何やらかわいい着ぐるみが子どもたちにお菓子を配っていました。列に並んでお菓子をもらったジュニアは嬉しそうでした。早速開けて頬張りつつ、私たちにも分けてくれました。
最後に数本滑り、キッズコーナーでそりを滑って、リフトの終了時刻までたっぷり遊んでから撤収です。帰る前に、スキーセンターの1回にある喫茶コーナーでシャトレーゼのケーキを買って食べました。ジュニアはパンダのケーキを選んで嬉しそうに頬張っていました。
甘くて楽しいスキー場、たまに苦い時も…
シャトレーゼスキーバレー野辺山は、初級者コースが豊富で、かつベビールームやキッズスペースもあることから、キッズフレンドリーなスキー場です。イベントでお菓子を配っていたり、スキーセンターにケーキ屋さんがあったりと、子どもにとっては「甘くて楽しい」スキー場といえるでしょう。
我々は数度訪れたのですが、時に「苦い」時もあるので要注意です。まず、混雑です。ある週末に訪れた際は、最初のリフトに乗るために50分ほど待つという大混雑状態でした。あまりの混雑に辟易し、その後は訪れていないため、なぜこの日がこれだけ混んでいたのかはわかりません(リフト券が安い日とかではなかったかと思います)。もう一つのシャトレーゼスキーバレー小海などと比べ、比較的ICに近いことから、多くの人が集まりやすいのではないかと思います。
もう一点が、「場所取り」の慣行です。他のスキー場では見たことがないのですが、このシャトレーゼスキーバレー野辺山では、朝一から終日テーブルに荷物を置いて「場所取り」をする人がかなりの数います。特に窓際のテーブルに多いようです。特に混雑しがちな昼時などは、食事を確保したものの食べる場所が取れずに苦慮する人たちで溢れていました。あまりに奇異に映ったため、一度スキー場のスタッフに事情を聞いたことがあるのですが、スキー場としても問題視しており、放置された荷物を撤去するなどの対策はしているが、中々利用者の意識を変えるには至っていない、とのことでした。中には、撤去された荷物を巡って大騒ぎした利用者もいたようで、スキー場としても対応に苦慮しているという印象がひしひしと伝わってきました。
シャトレーゼスキーバレー野辺山は素敵なスキー場でしたが、この点だけが残念でした。冬山という特殊な環境で楽しむスポーツである以上、管理主体であるスキー場のルールを順守し、他人を尊重できる、そんな人が集まるスキー場であって欲しいものですね。
トライスキーでスキーを楽しく
今回のスキーでは、初めて「トライスキー」をジュニアの板に取り付けてみました。その結果、ジュニアにとってブレーキがかけやすくなり、コントロールへの自信がついたことで、より大胆に遊ぶことができるようになりました。
2~3歳の年齢の子は、受け入れてくれるスキースクールも少なく、中々スキーを教えることができません。そのため、スキー場に来てもスキー自体を楽しむことより、どうしてもキッズパークなどで過ごす時間が増えがちです。
トライスキーは子どものスキー・コントロールをサポートしてくれるため、幼児でもある程度まで自分で滑れるようになります。板をコントロールしながら自分で滑る楽しみは、子どもたちにとって格別の喜びです。
スキースクール入校前の年齢のお子さまをお連れの方は、是非トライスキーと短めの板を用意して、スキー場を訪れてみてはいかがでしょうか。