ジュニアが3歳を迎えたある日の冬、私の友人を伴って奥多摩の御岳山に行ってきました。
積雪こそなかったものの、沢や滝が凍結するほどの寒さの中での登山です。
また、今回は私の友人ケン君が一緒に登りました。ジュニアは大好きなケン君がいることで、寒さにもめげずにいつもより張り切って歩いていました。
ジュニアにとって登山は特別な体験だと思いますが、おともだちが加わることで、より一層特別感が増して楽しくなるのかもしれません。
山行データ
No.9 御岳山
エリア:奥多摩
行動時間:6時間26分
歩行距離:約5.5km
累積標高差:△683m・▽683m
コース定数:15
ジュニア体重:13.5kg
アクセス:JR青梅線・御嶽駅から西東京バス「ケーブル下行」にて約10分/ケーブルカー滝本駅駐車場(営業時間:7:10~19:00、136台、1時間350円/1日上限1500円)
お得情報:ベネフィットでロープウェイ割引あり
トイレ:ケーブルカー駅、武蔵御嶽神社、ロックガーデン休憩所、奥の院分岐にあり
天狗岩でボルダリング
今回歩くルートは、いわゆる「ロックガーデン周遊コース」になります。ケーブルカーに乗って御岳山まで登った後、ロックガーデンや綾広の滝のある沢沿いまで下り、再び登って御岳山に戻る、というルートです。
沢沿いに下りるまでのルートはやや傾斜がきついため、慎重に下って行きます。ジュニアは、私の友人のケン君と手をつないで楽しそうに山道を下って行きます。心なしか、家族だけの時よりも張り切っているようです。ケン君にいいところを見せたいのかもしれません。
途中、七代の滝の近くに天狗岩という巨岩があり、鎖を伝って登ることができるようです。天狗岩のてっぺんまで伸びる鎖を見て、ジュニアのやる気スイッチが入りました。谷川岳の鎖場でもそうでしたが、鎖には何か子どもの冒険心をくすぐるものがあるのかもしれません。落ちないように後ろでフォローしつつ見守っていましたが、ジュニアは自力で天狗岩のてっぺんまで登り切り、先行していた登山者を驚かせました。
心配なのは下りです。ケン君が先行してジュニアを見守ってくれていますが、落ちはしないかと心配です。万が一手を滑らせてもいいようにジュニアの襟元を掴んだところ、ジュニアは「ひっぱらないで!」と大泣き。自分の力で登り切った岩、下りも自力で果たしたかったのかもしれません。とはいえ、落ちた時のリスクを考えるとフリーで下りさせるわけにもいかず…ケン君と二人がかりで横と下からフォローしましたが、このような場合に備えて最低限の確保ができるようなロープとカラビナ、スリングなどは携行した方が良かったかもしれません。
氷の世界
沢沿いに下りてみると、そこには氷の世界が広がっていました。滝や沢の水が凍りついており、至る所につららが伸びています。凍った滝の裏には水が流れており、石で氷を砕くとそこから水が染み出ます。沢の水面には厚い氷が張り、ジュニアは恐る恐るその上に乗り、氷が割れると驚いていました。つららを川の水にさらして遊んでいたら足を滑らせてお尻を濡らしてしまいましたが、それすらも楽しそうでした。割れた氷を拾ったり、霜柱をサクサクと踏み鳴らしたり。何度も足を止め、珍しそうに何かを見つめたり、拾ったりしていました。
頬を真っ赤にしながら楽しそうに動き回るジュニアに対して、大人3人は寒さであまり元気が出ませんでした。特にケン君はかなりこの寒さがこたえたようで、顔を真っ赤にして震えていました。ロックガーデンにはテーブルやベンチがあるので、そこで休憩します。ケン君にはダウンジャケットとレインウェアを貸してあげ、温かいココアを飲ませてあげるとようやく人心地がついたようです。ジュニアはお昼ご飯に作ったみそクリームパスタをほおばり、ケン君にもらったアルフォートを食べてご満悦でした。大人に比べて、あまり寒さを感じていないようなのが不思議でした。
日なたの世界へ
日のあたらない寒い沢沿いを抜けて、再び御嶽神社を目指して山道を登っていきます。神社付近まで登るとようやく太陽が出てきました。冷えたからだが太陽のエネルギーで温められるのを感じます。ジュニアはここまで頑張って歩いてきましたが、門前商店街まで来たところで抱っこをせがんできたので、抱き上げます。今日はよく歩きました。ジュニアは抱っこされながらもご機嫌で、話は尽きず、ケーブルカーに乗るまでずっと笑っていました。
車で少し移動し、「河辺温泉 梅の湯」に。冷え切っていた体に、温泉の温かさが染み入ります。ケン君がジュニアを見てくれる間、寝湯に横たわってまどろむのが最高です。やはり登山と温泉は切り離せませんね。併設の食堂で天丼とロースカツ定食を頂き、帰路につきます。
「おともだち」登山のススメ
これまでも、ジュニアのおともだちを連れて登山に行ったことはありました。昇仙峡の近くにある弥三郎岳を訪れた際です。
その時は短い行程だったためさほど意識しなかったのですが、やはり家族以外の人がメンバーに加わると、ジュニアはいつもより楽しくなり、張り切るようです。そのためか、抱っこをせがむことも少なくなり、自分の足で歩こうという意識が感じられました。
この後、何度もジュニアのおともだちと一緒に行くことになるのですが、その親御さんたちも同じような感想を抱いていました。親子登山も楽しいですが、子どもにとってはおともだちと一緒に行く登山はさらに輪をかけて楽しいものなのかもしれません。
おともだちがいることで、登山のしんどさは半分に、楽しさは倍に。今後も機会を見つけて、おともだち登山を実施していきたいと思います。