こんにちは。元陸自レンジャー教官のパッパです。
初めての育児にあたり、「山での活動を通じて自律と感性を育む」という方針を打ち立てました。
そのあたりの経緯は、こちらの記事をご覧ください。
この記事は、それに先立つこと約半年前、ジュニアが10ヶ月を迎えたある年末のお話です。
我が家は初めて家族で山に登ることになりました。
登った山は長野県蓼科にある「八子ヶ峰(やしがみね)」です。
その際の記録、感じたことを、ここにしたためたいと思います。
山行データ
No.1 八子ヶ峰
エリア:長野県北佐久郡立科町
行動時間:3時間?
歩行距離:約5km?
累積標高差:??
コース定数:??
ジュニア体重:9.0kg
アクセス:東急リゾートタウン蓼科内に登山口複数あり(それぞれに駐車場完備)、他白樺湖ロイヤルヒルスキー場駐車場、スズラン峠蓼科山登山口(すずらん峠園地駐車場)からアクセス可能
お得情報:特になし
トイレ:登山口となる駐車場に設置、コース上の「ヒュッテ・アルビレオ」は冬季休業
久しぶりの山
私にとって、プライベートで山に入るのは数年ぶりのことでした。
ジュニアにとっては、もちろん初めてです。
たまたま蓼科に家族旅行で来ていて、八子ヶ峰という山があり、東急リゾートタウンがトレッキングコースを設定している、という情報を宿の人から得たのがきっかけでした。
天気も良いようだし、じゃあ歩いてみようかという気持ちで3人で登ってみることにしました。
雲ひとつない快晴で、初登山にはもってこいの日でした。
地面には薄く雪が積もっていますが、歩行に問題はなさそうです。
初「登山」といっても、ジュニアはまだ歩けないので、抱っこ紐で前向き抱っこの状態です。
気温は約5℃。風もなく、歩いていると寒さを感じることはありません。
初めての山でのジュニア
ジュニアはこの時生後10ヵ月。生まれて初めてとなるお山の中でのジュニアの様子はどうだったかというと、寒さのためか、まぶしさのためか、眉間にしわを寄せていたことを覚えています。何だここは、という感じで、場所見知りをしていたのかもしれません。
抱っこされているだけのジュニアは歩いて体を温めることができないので、体が冷えはしないかとビクビクしていました。しかし、モコモコの服に包まれている上、常に私と体が密着しているため、ジュニアはそれほど寒く感じることはなかったようです。
カラマツ林の中を歩きます。ジュニアを抱っこしているので、万が一にも足をすべらせることのないように、慎重に一歩一歩を踏み出します。ジュニアは目の前に広がる初めての雪景色を、物珍しそうに眺めていました。冷たい外気に触れ、頬はりんごのように赤く染まっています。
ほどなくしてカラマツ林を抜け、展望の広がる稜線上に。抜けるような青い空に、お隣の蓼科山を始め、八ヶ岳の峰々が見渡せます。懸念していた風もほとんどなく、気持ちがいい。空高いところで、大きな鳥が飛んでいました
「ヒュッテ・アルビレオ」を過ぎて、やがて八子ヶ峰の東峰に到着。再びカラマツ林に入ると、歩いているときの揺れが気持ち良いのか、ジュニアはぐっすりと眠ってしまいました。3時間ほどの行程を経て、我が家の初登山は終了しました。
きっかけの山
当時の写真を見返してみると、ジュニアはモコモコの状態で私に前向き抱っこされ、しかめっ面をしている写真が多かったように見えます。心なしか眉間のシワが普段よりも深いような…生まれて初めて雪を見て、寒い環境に連れてこられて困惑していたのかもしれません。しかも道中は半分以上寝ていて…
この雪山トレッキングは彼にとってプラスの体験だったのでしょうか?もちろん彼に聞いても答えてはくれませんし、大人になってから尋ねてみてもきっと覚えていないでしょうから、こちらで推測するしかありません。
個人的には、冬の寒い朝、温かい布団に包まれて微睡むのはとても気持ちのよいものです。寒い中、モコモコの重装備で暖かくして、リズムよく揺られながら眠るのはそれほど悪い体験ではない…とジュニアは感じていた。そう信じたいところです。
一面真っ白の雪景色、抜けるような青空とのコントラスト、風でキラキラと輝きながら落ちる雪、深い静寂、空を抜ける風の音。ジュニアが五感でこれらの要素を感じてくれていれば、それだけで十分です。
何よりも、私自身が登山の楽しさを思い出しました。この楽しさを、家族で共有したい。そのような思いを抱くようになりました。そこから、子育てに積極的に山を取り入れていけばいいんじゃないか、と考えるように至ったのは、冒頭の記事の通りです。そして我々は、八子ヶ峰を皮切りに、多くの山に登ることになったのです。
ほとんど無銘峰といってもいい八子ヶ峰ですが、我々にとって忘れられない体験を与えてくれました。いつか、ジュニアが大きくなった時にこのコースをもう一度歩いてみたいと思います。今からその時が楽しみです。