#2/3キャンプ: くりの木キャンプ場&嵐山渓谷月川荘キャンプ場 2歳6ヵ月 ”全く違う2つのキャンプ場”

子連れキャンプ

2回目のキャンプは、連泊で2つのキャンプ場をはしごしてきました。

まったく性格の異なる2つのキャンプ場

今回は、キャンプ場「管理の実態」と、ネットでは得づらいキャンプ場の雰囲気を読み解くことの重要性について考えさせられました。

キャンプ場データ

No.2 くりの木キャンプ場
エリア:群馬県渋川市
管理体制:◎(管理人常駐)
プライベート感:〇(隣接サイトとの距離が保たれている。必要に応じ、プライバシーを確保するための柵が設けられている)
ごみ捨て:×(全持ち帰り)
入浴施設:なし(近隣に温泉多数あり。最も近い「富貴の湯」、「こもちの湯」まで車で約10分)
買物スポット:「ベイシア 渋川こもち店」まで車で約11分
雰囲気:◎(秩序あり。複数家族・大人3人以上グループでの利用禁止、かつルール違反は厳格対処を明言)
トイレ水洗トイレが場内の東西2か所にあり。
その他:子供のための遊び場あり花火可能一部サイトでは直火可能。名前の通り、秋口には場内で栗の実が拾える

No.3 嵐山渓谷月川荘キャンプ場
エリア:群馬県渋川市
管理体制:×(併設する月川荘のオーナーが管理しているようが、入場者数の管理や駐車場の統制も全く行っておらず、ほぼ放置)
プライベート感:×
ごみ捨て:×(全持ち帰り)
入浴施設:なし
買物スポット:「ベイシアフードセンター嵐山店」まで車で約9分
雰囲気:×(ほぼ無法地帯
トイレ:管理棟の前に水洗トイレ(ホースで水を流すタイプ)、その他仮設トイレあり。いずれも清潔ではない。
その他

1日目:くりの木キャンプ場

関越道の渋川伊香保ICを下りて30分ほどの距離に、くりの木キャンプ場はあります。

このキャンプ場は、自然の地形を生かしたサイトが特徴的であり、公式サイトに「当キャンプ場は、家族、ソロの方などが落ち着いて過ごせるキャンプ場を目指しています。」と謳っているとおりとても落ち着いた雰囲気の保たれているキャンプ場です。

この雰囲気を守るため、大人3人以上、複数家族での利用はできないという徹底ぶりです(リピーターで、かつオーナーとの信頼関係が築かれている場合は特例ありとのこと)。また、「人数に関係無くマナーをお守り頂けなそうな方はお断りしています。」と公言しており、そのためか利用者の方々も落ち着いたキャンプをする方がほとんどです。自然と調和したキャンプ、家族だけでゆっくり楽しむキャンプを志向される方にはもってこいのキャンプ場と言えるでしょう。

我々はいつものように5時に家を出発。関越道の渋滞を回避し、7時過ぎには駒寄ICを出ます。そして向かったのは「地球屋パン工房」。こちらのカフェ・ベーカリーは7時から営業しており、モーニングメニューが頂けます。朝の新鮮な空気を吸いながら、テラス席でパンを頂きました。こちらのパンは全て自家培養天然酵母を使用し、かつ無添加、全国発送にも応じており、ふるさと納税でも購入できるとのことです。

公式サイトより転載

朝食後、車で10分ほど北上し、「伊香保グリーン牧場」へ。ここは羊やヤギ、ウサギと触れ合ったり、ポニー乗馬やアイスクリーム作りが体験できる広大なレジャー型牧場です。1日に2回開催される「シープドッグ・ショー」は、牧羊犬が羊の大群をコントロールする必見のイベントです。

貫禄のある羊

伊香保グリーン牧場を後にし、「ベイシア 渋川こもち店」での買い出しを経て、くりの木キャンプ場に到着しました。チェックインを済ませ、薪を購入し、サイトへ。テント設営もほどほどに、さっそくキャンプ場の探検へと出かけます。

我々が訪れた時期(9月)には、場内のいたるところにイガクリが落ちていました。初めて見たトゲトゲの物体に、恐る恐る触れてみるジュニア。

このトゲトゲ、何だろう?

場内は大きく東、中央、西エリアに分かれており、1本の未舗装道で結ばれています。特に、西エリアの一部は4WDでしか入れないサイトとなっています。道も狭いので、切り返しや対面通行には少し運転技術がいるかもしれません。

場内の道

キャンプ場の入り口から一番離れた、西エリアのはずれに子供向けの遊び場があります。そこには、ツリーデッキ、ブランコ、ロープわたり、ミニボルダリングなどが置いてあり、小さなアスレチックのようになっています。ジュニアは大喜び

ブランコ楽しい

今回我々が宿泊したのは、東の高台エリアに位置するサイトです。このエリアでは道路沿いに2つのサイトが隣接していますが、高低差があり柵があるのでプライバシーは確保され、音や光による影響はほとんどありません。石炉が備え付けられているので直火が楽しめます。また、サイトの大きさは40~50平米程度、地面は芝と草地です。夜は伊香保方面の夜景が楽しめます。

青丸部分のサイトに宿泊しました。

夕暮れ前に、車で20分ほどの「小野上温泉 ハタの湯」へと行きました。「美人の湯」と称されるここのお湯は弱アルカリ性のとろりとした湯で、美肌効果が高いそうです。湯量はたっぷりで、なんとシャワーのお湯も温泉水だとのこと。

広くて開放感のある、立派な露天風呂。そこでは地元の湯治客が四方山話に花を咲かせており、首までつかる湯の中を恐る恐る歩くジュニアを見て笑ってらっしゃいました。

テントに戻り、夕食の支度。地元スーパーのベイシアで買ったもつ煮とうどんで簡単に済ませます。ジュニアの歯を磨き、寝間着に着替えさせたら、焚火を熾してリラックスタイムです。木々の合間から見える渋川の夜景と、その直上に雲間から覗いている満月がまるで絵画のようで見事でした。ジュニアは妻に抱かれ、火を見つめながら眠りに落ちました。

ジュニアが眠った後も、しばらく焚火を見つめます。日中ににわか雨が降ったため、風に揺られた木から雨粒が焚火に滴り落ち音を立てます。消えはしないかと心配しましたが、幸い薪はすべて燃え尽きました。

2日目:嵐山渓谷月川荘キャンプ場

気持ちの良い秋晴れの空です。今日は友人家族と合流するため、「嵐山渓谷月川荘キャンプ場」と移動します。キャンプ場のアスレチックで午前中遊んだ後、1時間ほどで撤収作業を終え、チェックアウト。渋川市街地にある洋食屋「ベアーズレイ」で昼食を取った後、高速に乗り込みます。

関越道を経て1時間ほど、嵐山小川ICを下りてほど近い「嵐山渓谷月川荘キャンプ場」へと到着しましたが…週末とあってか駐車場はすさまじい車の数です。しかも、全く駐車整理が行われていないため、皆が開いているスペースに停めており、駐車場内の往来が極めて困難です。奥に行った車がUターンできず、後続車も続いているため行き詰っているのを何度も見ました。キャンプ場の敷地入り口から駐車場へと続く林道はおろか、それ以前の住宅地の前にまで車は停まっており、どうしたものかと途方にくれました。さすがに住宅地の中に駐車することはできないので、近隣のコインパーキングに停め、そこからタクシーでキャンプ場に向かいました。

管理棟で料金を支払います。入場料は一人300円、持込テント料は880円と格安です。この値段の安さと予約不要の手軽さが、大混雑の理由なのでしょう。しかし、予約不要ということは、入場者数の規制を行っておらず全ての人を受け入れているということを意味しています。その結果が駐車場からあふれ出た多数の車であり、今から目の当たりにする河原のカオスです。

渓流を目の前にした素晴らしい景観なのですが、人で溢れかえっており、かつその活動の様子は混沌そのものでした。全てフリーサイトなので河原にはテントがひしめき合い、その中でも焚火をして騒ぐグループがおり、コントロールできてない焚火の火の粉が隣接するテントに穴をあけて揉めていました。翌朝の景色は惨状というほかありません。散らばったゴミ、放置された焚火の跡、渓流で食器などをすすぐ人々…管理体制に疑問が生じます。私が滞在する間、管理人らしき人が場内を見回っている様子はありませんでした。

何はともあれ、友人たちと合流します。日中は日帰りの利用客が多く、テントを設営する隙間もないので、とりあえずジュニアが川遊びするのを見守ります。そして夕方、近くにある温泉施設「昭和レトロな温泉銭湯 玉川温泉」へと向かいました。ここはその名の通り、館内施設が昭和初期のような雰囲気を醸し出していて面白い施設です。湯舟には大量のアヒルが浮いており、おもちゃもあるので子どもは大喜びです。

キャンプ場に戻ります。日中はあれだけ混乱を極めていた駐車場ですが、日帰り利用者が帰ったため、駐車スペースには余裕が生まれました。ソロキャンパー、家族連れ、グループキャンパーでごった返す河原サイト。相変わらず騒がしいですが、渓流の音であまり気になりません。近くで花火をしていた若いカップルが、ジュニアに花火を分けてくれました。利用者同士の距離が近いフリーサイトだと、こういう交流も生まれやすいのかもしれません。

翌朝、目が覚めてテントから出てみると河原の宴の後が目に飛び込んできます。どのような運営方針であるとしても、自然を利用したレジャーである以上環境へのインパクトは最小限にするよう管理者は尽力すべきであると思います。残念ながら、この「嵐山渓谷月川荘キャンプ場」にそのような努力の跡は見られませんでした…

キャンプ場「管理の実態」と「雰囲気」

今回は2つのキャンプ場を訪れたため、展開・撤収をそれぞれ2回ずつ行いました。キャンプにおける展開や撤収は時間のかかるものですが、我々は「軽くて小さいもの」を「最小限」というコンセプトでギアを選定していたため、比較的ストレスが少なく、1時間以内で展開・撤収を済ませることができました。ギア選びの詳細については、下記記事をご覧ください。

図らずも、今回訪れた「くりの木キャンプ場」と、「嵐山渓谷月川荘キャンプ場」は全く異なるキャンプ場でした。「くりの木キャンプ場」は自然の中に身を置くことを重んじ、秩序、マナーを重視した運営をしている一方で、「嵐山渓谷月川荘キャンプ場」は管理を最小限にし利用者の裁量に多くを委ねています。その結果、環境へのインパクトが大きい運営体制となっているのは残念ですが、この2つのキャンプ場に代表されるような「秩序型」と「自由型」のどちらを好むかは人によるところが大きいでしょう。

この後も様々なキャンプ場を訪れるに至って理解したのですが、「迷惑行為の禁止」「消灯時間の厳守」といったルールはほとんどのキャンプ場で掲げられている一方で、その徹底具合はキャンプ場によって大きく異なります。くりの木キャンプ場のように、常駐する管理人が見回りなどをして、ルール違反や消灯後の大騒ぎを注意してくれるキャンプ場もありますが、嵐山渓谷月川荘キャンプ場では同様のポリシーを掲げているにもかかわらず、ルールに実効性を持たせる取り組みは行われていません。そしてこのようなキャンプ場は、「自由にできる」キャンプ場として認知され、そのような「自由」を求める人が集まりやすい傾向にあると思います。

「秩序型」か「自由形」、自分がどちらのスタイルを好むかを理解し、そのスタイルにあったキャンプ場を探すことが重要です。しかし、こればっかりはオフィシャルサイトや予約サイトの情報からでは読み取りづらく、口コミを丹念に調べるか、または実際に行ってみるまで分からないですよね。本ブログでは、今後訪れたキャンプ場の「雰囲気」にも触れていきたいと思いますので、キャンプ場選定の助けになればと思います。