初めての登山から1年ほどを迎え、ジュニアも歩けるようになりました。
そんなジュニアの2歳の誕生日を控えた冬のある日、長瀞の宝登山に登山に行きました。
ジュニアが自分の足で歩く、初めての登山です。
お山を全身で楽しむジュニアは、私に新しい山の楽しみ方を教えてくれました。
山行データ
No.2 宝登山
エリア:埼玉県秩父郡長瀞町
行動時間:3時間?
歩行距離:約3km?
累積標高差:??
コース定数:2~3
ジュニア体重:10.0kg
アクセス:宝登山麓駐車場(約150台)・秩父鉄道長瀞駅から宝登山山麓駐車場間無料シャトルバスあり
お得情報:ロープウェイチケットがJAF割引、秩父フリーきっぷ提示による割引あり
トイレ:登山口となる宝登山神社駐車場、宝登山ロープウェイ山頂駅にあり
高みを目指す2歳児
宝登山は「ほどさん」と読み、秩父鉄道・長瀞駅から参道を宝登山神社方向に真っ直ぐ進んでいくと、やがてロープウェイの駅が見えてきます。
ジュニアにとって、ロープウェイに乗るのは生れてはじめてです。ポカンとした表情であたりを見つめています。口は開いたままで、何もかもが珍しそう。
山頂駅に着き、蝋梅園の間をすり抜けるようにして山頂を目指します。蝋梅はまだ2分咲きほど。黄色い可憐な花を咲かせています。
ジュニアは短い足を一生懸命に開いて、段差を超えていきます。人間には、高いところを目指して進もうとする本能が備わっているのでしょうか。そう思わせるほど、力強い足取りでした。
道行く人皆が頑張れと声をかけてくれたり、微笑みかけてくれるのが嬉しかったです。
楽しいお山
見事な冬晴れの空で、雲ひとつありません。
ジュニアにとっては、自分の足で歩く初めての山道。歩くたびに鳴るカサカサという落ち葉の音や、枝の折れる音。全てが物珍しそうです。面白そうなものを見つけてはあっちへ行ったり、こっちへ来たりと。枝を拾ってみたり、落ち葉を抱えて放り投げては満面の笑みで笑っています。
大人にしてみればシーズンオフの静かな低山ですが、ジュニアの目にはきっとキラキラした世界が見えているのでしょう。山に来て何をすればよいものかと考えたこともありますが、ジュニアは自分のやり方で山を楽しんでいました。
下山は、ロープウェイではなく登山道を。木漏れ日が黄色の落ち葉に反射してキラキラと輝き、とても素敵な情景でした。登山者の熊鈴が、リーンリーンと鳴り響いています。そのリズム良い音に誘われたのか、眠くなったジュニアは抱っこをせがみ、そのまま寝入ってしまいました。
青く透き通るような空や、冬の冷たい空気、落ち葉や蝋梅の黄色、熊鈴の響き渡るリズム。お山は、ジュニアにとって劇場のように映っていたのかもしれません。ジュニアの目線に立って見るだけで、私も新鮮な気持ちで山に向き合うことが出来ました。今日の体験が、ジュニアのまだ真っ白な感性になにか響くものがあればと願う次第です。
周辺観光
「寳 -TERAS-」でランチ
下山後、昼食は「寳 -TERAS-」で頂きました。「たから」と読むそうです。アメリカのモーテルのような外見をしていますが、提供するのは地元・長瀞の料理であり、アットホームな店です。キッズスペースがあり、芝生の敷き詰められた中庭にはブランコや滑り台もあるなど、とてもキッズフレンドリーなお店です。トイレにはおむつ替え台もあります。店員さんも大変親切でした。
阿左美冷蔵 金崎本店
その後、「阿左美冷蔵 金崎本店」へ。ここはかき氷の名店で、夏はその絶品かき氷を求めて長蛇の列ができます。昔、35度を超えるような真夏日に食べに来たことがありましたが、並んでいる最中に倒れてしまうのではと泣く泣く断念した記憶があります。
阿左美冷蔵さんは宝登山神社へと続く参道にも支店がありますが、私はこの本店がお気に入りです。風情のある古民家に、民藝調の家具や調度品とモダンなガラステーブルなどが並べられており、とてもシックです。所々に顔を覗かせるカエルの置物が可愛らしい。
真冬に、暖房の効いた静かな店内でかき氷を食べるのも乙なものです。ジュニアは溶けてジュースのようになったシロップを天を仰ぐようにして飲み干していました。
登山の楽しみ方はいろいろ
阿左美冷蔵さん本店には、なんと足湯があります。真冬の寒さの中でも、いつまでも浸かっていられるような暖かさです。
美味しいものや温かいお湯につかることも、登山の魅力の一つですよね。そのことも再確認できた今回の山行でした。
また、間もなく2歳を迎えるジュニアからは、山には色んな楽しみ方があることを教えてもらいました。3人で道を歩くだけでも楽しく、色々な発見がありました。冬の柔らかい日差しに照らされた蝋梅のキラキラした情景はきっと今だけのもので、それを見れただけでもラッキーです。こうした発見はきっと私一人では思い至らず、歩くのが楽しい盛りのジュニアがいたからこそ、私も感じることができたのかもしれません。
子どもと山に行くと、彼らの視点からの景色を垣間見ることができ、その楽しさが伝わってくるようです。その舞台として、1月の宝登山をお勧めします。ささやかな蝋梅と冬のかき氷がお山の思い出に花を添えてくれるでしょう。